今年の8月はリオ五輪が開会したと思うと、本日7日(日)には今年で第98回目となる
夏の甲子園も開幕しました。国を代表する選手と、
各都道府県を代表するチームが熱戦を繰り広げてくれることでしょう。
最後まで戦い続ける選手にエールを送りたいですね。
今年4月から様々な視点から、患者様の満足を向上させための
『ビジネス・エチケット・マナー』についてお伝えして参りました。
ここで、今一度、あなたにご質問させていただきたいのですが、
「エチケット」と「マナー」とはどのように違うのでしょうか?
または、それぞれの言葉からどのようなイメージを持っていらっしゃるでしょうか?
『エチケット・マナー』の語源には諸説があるようですが、
その1つをご説明したいと思います。
時はマリー・アントワネットの時代、フランスのベルサイユ宮殿には、
庭師が丹精込めて手入れをしているとても綺麗な花園があったそうです。
花々のあまりの美しさに魅せられ、時には花を手折る人もいたらしく、
その花園は美しさを保つことが困難になってきました。
そこで庭師はその花園の前に、「立入禁止」などと書かれた立札を打ち立てました。
この立札によって、再び花園の花たちは綺麗に咲き誇ることが
できるようになりました。
が、ここで想像していただきたいのですが、
あなたがとても綺麗なバラ園や牡丹園に
行かれたとします。そして、その前に「入るべからず」などと
禁止事項を書かれた看板を見たらどのような気持ちになるでしょうか?
そうですよね...ほとんどの方が"興ざめ"を感じるのではないでしょうか?
そして花園全体の景観も損なわれてしまいます。
そこで、庭師はベルサイユ宮殿を訪れるお客様一人一人の良心(心配り)を信頼して、
これら立札を取り払いました。
そこには「立札はなくとも、人の心の花園を踏み荒らさないでくださいね」という
願いや期待があったことから、この立札をフランス語で「(エ)・チケット」と言われるように
なったそうです。
(エ)とは冠詞で英語でいう「This」や「The」というものです。
つまり、「エチケット」とは、自ら相手のことを思いやって行う言動を指し示すものとなりました。
しかしながら、どんなに相手のことを思いやっても、
私たちの心を開きお見せすることができないので、「思いやりの心(気配り)」が
ちゃんと相手にも伝わり、お互いが納得できる「形・型」が考え出されました。
これが「マナー」と言われるものです。
"テーブルマナー"などというように、一定の所作を決めておき、
上品に、そして洗練された動作としての決まりごとのことです。
まとめてみると、「ビジネス・エチケット・マナー」とは、
仕事をするすべてのプロフェッショナルが、顧客・相手を思う
大切な気持ちを、その相手にもちゃんと伝わるように
「態度・行動」や「言葉遣い」でうまく表現することと言えます。
あなたは、このような経験をしたことはありませんか?
●相手に「よかれ」と信じてやったことなのに、なぜか注意を受けてしまった。
●心ならずミスをしてしまったので謝罪したが、さらに怒りを買ってしまった。
●ほめたつもりだったのに、嫌な顔をされてしまった。
●励まそうと言葉をかけたが、「空気が読めないの」という雰囲気になり、
それ以来、慰めや励ましの言葉をかけるのが怖くなった。
●職場で同僚に気を使ったつもりなのに「常識知らずね」と言われてしまった。
もしも、ひとつでも心あたりがあると感じられた方は「気配り」が身についていなかった、
(あるいは、身についているつもりになっていただけで、実際には相手に伝わっていなかった)と
言えると思います。
人間関係を気まずくする原因を解決するためには、突き詰めるとこの「気配り」を
うまく表現することだったのです。
先ほど述べたエチケット(気配り)の語源からの意味から、
さらに発展形にした「気配り」の本来の目的とは、
相手の心を傷つけない ⇒ 相手が感じる居心地の良さ表わす言動を発揮する
ということになります。
気配りを身につけるということは、患者様やご家族を安心させ、
喜ばせることができ、私たちの病医院の居心地の良さを与えるということです。
その結果、患者様は「あの人の言うことだからこそ、ちゃんと聞こう」と好意や好感を感じはじめ、
その次に「治療への指示や処方を守ろう」と信用を寄せてくれるようになられるでしょう。
そして、安心⇒好意⇒信頼と順に患者様の感情を移行させる事によって、
私たちが最も得たいと思っている「信頼」を勝ち得ることができるのです。
この信頼を得ることによって、患者様がたはご近所さんや友人にあの病院は
「とってもいいよ」と口コミで広告宣伝してくれ、
地域から「選ばれる医療機関」になることができるのです。
ここで今一度、お伝えしておきたいことは
もっとも大切なことは、まずあなたの"温かい心"を
いつもあなた自身の心にあることを気に留めておいていただいておくことです。
それから、その心(くばり)を相手に分かりやすい形にして伝えていってください。
医療プロフェッショナルのビジネス・エチケット・マナーとは、
「心配り」+「相互に分かる形」×「表現力」
という公式で表せるのではないでしょうか。
あなたの「思いやり」「優しさ」「癒し」という『心配り』を
態度や言葉でこれからもうまく伝えていけるように
お手伝いさせていただきます。
次回はさらに具体的な状況に応じた「気配りのすすめ」を
お伝えしたいと思っております。
16.08.07(日)村田 小百合 カテゴリ: