今年の桜は例年より満開を迎えるのが早かったですが、
チーリップや色とりどりの春のお花の色が目に美しく映ります。
前月からお送りした『超一流の雑談力』の続きを今月はお送りしたいと思います。
雑談といっても、何を話せばいいの?という疑問について
この本を通じてご紹介していきましょう。
本の全体像(第2章より)
雑談の最初のきっかけのテーマが第2章にかかれてあります。
気候・相手の会社情報・衣服、ファッション・健康・趣味・最近のニュース・
共通のこと・出身地・血液型・仕事など話題の引っ掛かりを見つけて
内容を深めていくわけです。
私も研修時によくお伝えする話題提供の頭文字をとって
「き」-季節、気候について /「ど」-道楽(趣味)について /
「に」-ニュース /「た」-旅 /「て」-テレビ /
「か」-家族や家庭 /「け」-健康 /「し」-(仕事)
「衣」-衣服/「食」-食べ物 /「住」-住居
といった具合です。
さらに相手が思わず心を許してしまうほどの
テクニックが紹介されています。
つまり「相手が気持ちよくなる聞き方」「相手の話に価値がある」という
リアクションを取るということです。
ソフトに見つめてテンポよくあいづちを打ち、
会話を広げるための「連想」と「オウム返し」で相手の話を促し、
相手が答えやすい質問をしていくのです。
人は出会って2秒で、自分の頭の中にある1万4000のデータベースから、
その人に対する第1印象を決めると第4章にあります。
それゆえに、事実をより魅力的に見せる技術も必要となります。
特に意見が食い違うときは「うかつでした」と相手の主張を飲み込み、
褒める時は「つぶやき褒め」をすると相手との距離を一気に縮めることが出来ます。
あくまでも自然にすることが大切です。
人は伝えられた好意は好意で返してあげたいと思う心理を理解しましょう。
スタンスは「あなたのことが気になって」という気持ちで近況を聞くことです。
そのたった数十秒のやりとりで、数年分仲良くなれるのです。
あなたも、自分に興味を持ってくれたり、安否を気遣ってくれる人のことを
人は嫌いになれないでしょう。
ここでの留意点はフレンドリーさを決して失うことなく、
しかしながら、相手には敬語を使うことです。敬語というのは、
話しながらも相手に「敬い」の「気持ち」を表す言葉です。
雑談の中でも相手に敬意を払う重要性が書かれてあります。
患者様にはいろいろなタイプの方がいらっしゃいますよね。
十人十色と言われる所以です。
第6章では、患者様のタイプによってアプローチを使い分けに参考になります。
プライドが高い人には上手に褒め言葉を。
やさしくて話しやすい人は意外と注意が必要というのもうなずけます。
せっかちで、早く結論が聞きたい人にはメリットを説明する。
社交的な人には楽しい話を。
大人しい人にはペースを合わせてゆったりと。
自在にコミュニケーションの型を操れるようになっていただきたいと思います。
和やかな雑談から本題へ話題を移す方法が第7章にあります。
会話の流れが止まると、相手に緊張感が生まれ警戒されるので、
雑談からヒントを得たように、本題と相手の話との接点を探しだします。
大事な話をするときは、何についての話なのか10秒ぐらいで簡単に伝え、
そのポイントを予告するように話すと、相手は思わずメモを取りたくなるでしょう。
そのときは、相手をせかさず、慈愛の顔で待つことが肝要です。
第8章では、本のタイトル「超一流の雑談力」をできるまで、
とことんやりきれる人間になるために、日常での練習方法をレベル別で紹介しています。
レベル2は会計の時に店員さんと一言話す。
レベル3では、声の通し方。
レベル4では、経験値を積むための「場数の増やし方」。
レベル5では、苦手な人・嫌いな人との話し方。
レベル6では、質の高いアウトプットのトレーニング。
レベル7では「謎かけ」を練習する。
レベル8では、結婚式などフォーマルな場で、おもしろい乾杯のあいさつをする。
さあ、あなたが必要だと思う雑談テクニックが明日からでも練習していけます。
医療プロフェッショナルとして役立ててもらいたいポイント
私の友人の話ですが、彼女は以前行っていた病院に1年ぶりに行ったそうです。
1年という時間が経っていたにもかかわらず、
「〇〇さん全然変わっておられないですね」と軽い冗談で話されたので、
すぅーと心が軽くなり緊張も取れていくのを経験したと言っていました。
皆さんのクリニックには何度も訪れる患者様がたくさんいらっしゃると思います。
第5章「さらに距離を縮める2度目の雑談」にもありましたが
「自分に興味のある人のことを人は嫌いになれない」をキーワードに、
患者様との雑談から、そのお話しになった内容を覚えていて会話につなげる方法や、
話す内容はフレンドリーにしながらも言葉づかいは敬意を表するために
丁寧を心がけ、信頼感を高めることで、上手く人間関係を構築していただきたいと思います。
たかが雑談力、されど雑談力、皆様が超一流の雑談力を身につけると、
きっと患者様も笑顔になられるのではないでしょうか。
著者について
安田 正氏
株式会社パンネーションズ・コンサルテイング・グループ代表取締役。
早稲田大学理工学術院非常勤講師。1990年より法人向け英語研修を始め、
ロジカル・コミュニケーション、プレゼンテーション、対人対応コーチング、
交渉などのビジネスコミュニケーションの領域で講師、コンサルタントとして活躍している。
大手企業を中心に1700社で研修を行い、一般社員のほかに役職者1000人以上の指導実績を持つ。
その他の著書に「一流役員が実践している仕事の哲学」「一流役員が実践してきた入社1年目からできる人
になる43の考え方」「1億稼ぐ話し方」「会話の上手さで人生は決まる」など多数。
以上、2018年4月 「超一流の雑談力」の本のご紹介でした。
来月5月は昨年のベストセラーNO1に選ばれた「サピエンス全史」(上)を
お送りしたいと思っています。
今月もお読みいただきありがとうございます。
18.04.09(月)村田 小百合 カテゴリ: