皆さま、新春おめでとうございます。
本年の成人式(1月14日)には123万人の新成人が誕生するようです。
毎年思うことですが、晴れやかな振袖姿を見ると、日本の美しさを改めて感じますね。
どうぞ本年もよろしくお願い申し上げます。
この本を推薦する理由
ドラッカーの著作にはビジネス、人間関係に関するヒントがたくさん詰まっており、
彼の経験から書かれている多数の実話や例話によって「そうなのか!」と
納得することは多々あります。
しかし、その本質を理解し、さらに他人に伝えることはなかなか難しいと
言われます。
私も例外ではなくドラッカーの思想の迷路にはまりこんだような印象を
感じたことがありました。そして、もう一つ私が読みこなすのは難しいなと感じた理由は、
長文、イラストなし、文字ばかりを目で追うことに飽きてくることもあるのかな?と思います。
今月ご紹介するこの本は、図を使って視覚的に解説することに定評のある著者が、
ドラッカーの経営学の全体像をわかりやすく図解しているものです。
ドラッカーが文章に込めた考えを、つまり一番大切なエキスを切り取り、
ひと目でわかりやすく理解と記憶にとどめておけるように図を使って解説する現代版、
日本風にアレンジしたドラッカーのマネジメント論のエッセンス本と言えます。
本の全体像(概略)
ドラッカーは「マネジメントとは一般教養である」と述べています。
それは、だれもが常に自分の生き方をマネジメントする必要があり、
その方法を学ぶ必要があるということです。
そのためにも、まずは自分自身の生き方を自らに問うことが必要であり、
時代を認識することや、働いている人であれば組織のあり方を考えたり、
その中で自分がやるべき仕事や使命を考えることがマネジメントに通ずる
ということです。
そのためにドラッッカーの本を読むのならば「ドラッカーはこういっているのだな」と
いう捉え方をするのではなく、「私はドラッカーが言っていることをこのように理解した」と
いう「主体的に考える読書」が大切なのだと筆者は説いています。
ところが、本というものは「ひと目で理解できない」という特徴がありますよね。
そこで図を描く事によって、全体像や疑問点、矛盾点を浮き彫りにし、
要点を絞ることにより「理解を深め」「思考をクリア」にする方法
(筆者は「図読」と読んでいる)をドラッカーの著書をテキストとして
紹介しています。
すこし混乱してしまうかもしれませんので、もう一度言うと、
ドラッカーの理論を紹介するだけではなく、
図解しながら読書をする有効性を同時に伝えている本なのです。
医療プロフェッショナルとして役立ててもらいたいポイント
ドラッカーのマネジメントに関する著書の中に『プロフェッショナルの条件』というものがあります。
ともに「時間管理」の重要性が書かれています。
~マネジメントの要点はセルフマネジメントにあり、セルフマネジメントはまず時間管理から始まる~
医療業界(病医院)で働く人でなくとも、ビジネスパーソンであるなら
仕事の始点とすべき考え方であります。
そして、限りある時間という資源の使い方がいかに重要なのかをP119からP135の16ページにわたり、
実例を挙げて説かれています。
読み進めていただくと、「そうなんだな~」と一見、わかった気になり、頭の中では、
『マネジメントを行うには、まずはセルフマネジメント(自己管理)が重要なんだな~。
で、そのセルフマネジメントには後にも先にも「時間管理」から始まるということか!』と
一旦は納得性と短期記憶に留めることができるでしょう。【本著P39より引用】
しかしながら、時間とともに忘れてしまう方がほとんどではないでしょうか?
そして、言葉で理解した上で、図解にすると上のようなものになります。
このように図解にすることによって思考の明確さ、
記憶によるイメージの合いを少しは感じていただけるのではないでしょうか?
図解とは簡単な〇や□、矢印→などの記号を使ってシンプルに
その相関性などを示していくものなのです。
さらにドラッカーは時間の管理をするために具体的に事例をあげて
次のように説明されています。
『私の観察によれば、成果をあげる者は仕事からスタートしない。
時間からスタートする。計画からもスタートしない。
何に時間がとられているかを明らかにすることからスタートする。
次に、時間を管理すべく、自分の時間を奪おうとする非生産的な要求を退ける。
そして最後に、その結果得られた時間を大きくまとめる。
すなわち、時間を記録し、管理し、まとめるという三つの段階が、
成果をあげるための時間管理の基本となる。』この文章を図解すると以下のようになります。
【本著P42~43より引用】
筆者は図解とは「図で解る」との文字通り、理解できた事柄しか「図解」できないと言います。
逆に言うと理解できていないことは「図」が描けないということになります。
今年は読書をする際には、この図解によって思考をクリアにし、
理解を深めていくことを試してみませんか?
著者について
久恒 啓一 1950年大分県生まれ。
九州大学法学部卒業後、株式会社日本航空に入社。本社広報課長、サービス委員会事務局次長を歴任。
在社中から「知的生産の技術」研究会に所属し、著作活動も展開した。
1997年に同社を早期退職し、新設の県立宮城大学教授に就任。
2002年に出版した「図で考える人は仕事ができる」がベストセラーとなり、
書籍における「図解ブーム」を巻き起こした。
以上、2019年1月の書籍をお届けしました。
そうそう、暦の上で一番寒いとされている日を「大寒」と呼びます。
その中でも大寒の"瞬間"というものがあるそうです。
2019(平成31)年 大寒の日は1月20日(日)。
その中でも大寒の"瞬間"というものがあるそうです。
2019年の大寒の瞬間は1月20日(日)の17時9分です。
節分の前日までは「寒の内」として、
寒さ厳しい日もあると思いますので、どうぞ風邪などにはお気をつけくださいね
いつも皆様のご健康とご活躍をお祈りしております。
どうぞ本年もこのコラムをご高覧いただけますようよろしくお願いします。
19.01.01(火)村田 小百合 カテゴリ:スタッフブログ