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良書紹介(12)怒る技術

都会のサクラの満開ピークは過ぎたようですが、⑩チーリップ.jpg

まだ雪深い地方では、ようやくつぼみが膨らんできた

ところでしょうか。

春ならではこその、レンゲ、チューリップなど

色とりどりの花が美しい季節の到来ですね。

 

この本を推薦する理由

人が誰でも持つ感情、『喜怒哀楽』。

喜び、楽しみは倍増して欲しいものですし、

怒りや悲しみは半減できればいいな~と思います。

医療機関で働く方々は、頭脳や肉体だけでなく、

この感情による労働の負荷が大きく作用する職種でもあると思います。

上司がスタッフに問題行動を指摘しても改善されないときに感じる不満、

またスタッフは理不尽な要求をしてくる患者様に対して感じる怒りや悲しみ、

スタッフ間でも言いたいことを言えば、

こじれてしまうことが怖くて言えない人間関係へのストレスなどなど...

それこそ職場で感情問題のないところの方が少ないのではないでしょか。

この本は「怒らなくなることを目標とするのではなく、

怒るのならば、あとで後悔することなく、意味のある怒りにする」ための

テクニックが書かれてあります。

著者はこの「怒る技術」をアンガーマネジメントと言う名称で語っています。

①本の表紙.jpg私自身、この「アンガー・マネジメント=怒りの配分」の

ファシリテーター(促進者)としてセミナーをすることがあり、

以前、参加してくださったクリニック院長が

「なぜ自分が怒ってしまうのかがわかったのが一番の収穫だな。

そして明日から怒りにメリハリをつけて自分の思いを

スタッフに伝えて行こうと思ったよ。

上手い怒り方はチームを活性化できるという点には共感できたよ」と

おっしゃっていました。

今月はうまく怒る技術についてお伝えしたいと思います。

 

 

本の全体像(概略)

本は5章で構成されています。

まず1章ではアメリカで数百万人のビジネスマンが③アメリカンフットボール.jpg

アンガーマネジメントを学んでいる意味や、

アメリカンフットボールのルーキープレイヤーにおいては、

強制的に学ぶことが義務付けられている理由が語られ、

現代社会ならではの「怒りの配分」の重要性が語られています。

第2章では、上手い怒り方でむしろ尊敬され、感謝されるためには、

相手との信頼関係や自分の心の持ち方など心がまえなど、

事前準備が大切だと書かれています。

⑥赤ちゃん怒り表情.jpg具体的にいよいよ第3章と第4章では怒りのメカニズムが

「わかる」からうまく怒ることが「できる」へと

移行するためのテクニックが紹介されます。

アンガーマネジメントの代表的な30種類テクニックからから、

まずは第3章では即効性が望める12の「怒る技術」が書かれてあり、

続いてジワジワとボディブローのように効いていく

9つのテクニックが第4章で解説されています。

最後の章では、うまい怒り方でチームをまとめあげていくためのポイントです。

つまり上司や先輩が自分自身の怒りをコントロールしていくだけでなく、

スタッフや職場全体の感情をマネジメントできる対処策が説明されています。

 

 

医療プロフェッショナルとして役立ててもらいたいポイント

忙しい時に、順番はまだ?と何度も聞いてくる患者様、

時にはちょっとしたことで嫌みや小言を言ってくる患者様に対して、

心の中では「『だから、申し訳ございません!』って言ってるじゃないですか!」と

爆発寸前という時もあるかもしれません。

感情というものは反応が早く、たった一言で、⑤怒り心頭爆発.jpg

カッと頭に血が上ることもあります。

でも、普段、医療プロフェッショナルとして

「売り言葉に買い言葉」などの直接的な反論はなくても、

イライラが相手に伝わってしまうことは控えなくてはなりません。

そのような時に使えるテクニックに

「カウントバック」というものがあります。(P95参照)

要するにカッとしたり、ムカッとした時に反射的に

怒りの言葉や行動を制止するために、

ワンテンポ反射行動を遅らせるためのものです。

④そろばん.jpg「カウントバック」の言葉通り、

数字を引き算していくことによって、

怒りの場面から意識を遠ざけようとするテクニックです。

人の反応を遅らせるために必要な時間は、

約6秒と書かれています。

このたった6秒間をとり過ごせればいいんだ!

と思うだけでも気持ちが楽になります。

「自分が怒っている」場面から自分の意識を遠ざける手っ取り早い方法は、

100から3飛びに数字をマイナスしていう方法がオススメされています。

「100、97、94、91...」と心の中で暗算していると、

あれ、すでに4秒経過。

これを今日は7飛ばし、9飛ばしと変えてみてもいいかもしれません。

怒る技術を学ぶためには、⑦人間力 手に♥.jpg

対処療法的にテクニックを学ぶもの1手ですが、

「なぜ、わたしは怒ってしまうのだろう?」という根本原因を

自己認識していくことは、

長期的に見て人間力の向上になると思います。

4月はなにか始めたいと思う月でもあります。

目には見えないけれど、自分の意識や価値観、信念を自己理解する1歩を

踏み出してみてはどうでしょう。

 

 

著者について

安藤俊介 一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事。

1971年群馬県生まれ。2003年に渡米しアンガーマネジメントを学び、

日本に導入し第一人者となる。

主な著書に「怒りに負ける人、怒りを生かす人」(朝日新聞出版)、

『「怒り」のマネジメント術』(朝日新書)、

「この怒り なんとかしてと思ったら読む本」(リベラル社)、

「イラッとしない思考術」(KKベストセラーズ)などがある。

今月末からはゴールデンウィークに突入。

そして、5月1日からは新しい元号「令和」ががスタートしますね。

リフレッシュできる連休になるよう、お気をつけてお過ごしくださいませ。

19.04.01(月)村田 小百合 カテゴリ:

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