政治も経済も社会情勢にも新しい変化が生まれる予感を感じます。
このような瞬間をみな様と共に立ち会えたことに喜び、
ときめきを感じています。
時代、環境の変化に適応することができる人、
組織こそが生き残れるといわれます。
新時代の矢は放たれました。さあ未来に向かって共に進もうではありませんか?!
この本を推薦する理由
率直に言って「すっきりした~」という感想を持ちました。
本のタイトルにも書かれてある
ドラッカーとは"経営の神様"とも呼ばれ
『組織経営』や『マネジメント』などに関する著書を数多く出して
いらっしゃいますが、その内容は正直言って『難しい』のです。
その難解な本を、主人公の川島みなみ(以下、みなみちゃん)と
いう女子高校生が、「野球部を甲子園に連れて行く」という目標を達成するために、
ドラッカーの教えを自分なりに噛み砕いて理解し、
仲間と共に力を合わせて甲子園を目指すストーリーは学校だけでなく、
企業、家庭、もちろん医療機関でも...人があつまっている
すべての組織で役立つ本だと感じました。
それゆえに皆様にも難しいイメージのある「マネジメント」に
関すてスッキリ理解していただけるようにご紹介していきましょう。
本の全体像(概略)
公立高校野球部のマネージャーをはじめて経験することになった
みなみちゃんは、何か参考になるものを探しに近所の本屋に行き、
店員さんに「世界で一番読まれた本」と進められるままに
買ってしまいました。
ドラッカーが説いている概念というもの自体が非常に哲学的であり、
すぐには答えが見つからないもののため、
はじめは難しさにとまどうのですが、
読み進めるうちにその本の面白さに気づいて行きます。
たとえば、このような一節があります。
『あらゆる組織において、共通のものの見方、理解、方向付け、努力を
実現するには「われわれの事業が何か。なんであるべきか」を
定義することが不可欠である。』
医療機関に働くあなたに「あなたのクリニックの事業とはなんですか?」と
問われているようなものです。「そんなことすぐわかりますよ(笑)。
身体に疾患ある患者様を治療してさしあげることです」と即座お答えになるでしょう。
自らの事業が何かを知ることほど、簡単でわかりきったことはない。
鉄鋼会社は鉄を作り、鉄道会社は貨物と乗客を運び、
保険会社は火災の危険を引き受け、銀行は金を貸す。
しかし、実際には「われわれの事業はなにか」との問いは、
ほとんどの場合、答えることが難しい問題である。
わかりきった答えが正しいことはほとんどない」
つまり、医療機関とは「心身の治療をする」というのは
「わかりきった答え」となり多分ドラッカーがいうには
「ちがう」ということになるでしょう。
そこで「企業の目的と使命を定義するときに、出発点は1つしかない。
『顧客である』」とヒントのような言葉が続けられ、
みなみちゃんは「野球部にとって一体、誰が顧客なのだろう?」と
野球部の仲間にも問いながら考え続けた結果、
「野球部にとっての顧客」を以下のように導き出していました。
① 親(学校に行かせ、野球をするお金を出してくれる)
② 学校(部費や施設を提供してくれる)
③ 学校の生徒(応援してくれる)や試合を見てくれる全国の高校野球ファン
④ 東京都・高野連(代表試合、甲子園での試合の運営)
⑤ 実際にプレーをする野球部員達
そしてファイナルアンサーとなる「野球部は何のための組織か?」という
問への答えを、この顧客たちを満足させることこそ、
それは「野球部とはすべての顧客に対し、感動を与えるための組織」と
定義しました。
そして、「組織の定義づけ」を明確にしたみなみちゃんは、
ドラッカーが次に大切だという「マーケティング」に取り組んで行きます。
「マーケティング」とは顧客が本当に必要とし、求めているものを探ることです。
そこで部員たちに入院している前マネージャーへとお見舞に行ってもらい、
そこで部員たちの現実、欲求、価値をなど、どんどんと本音を引き出していきました。
みなさんの病院でも患者アンケートなどを取られたことはありませんか?
これも「マーケティング」の一つです。
ここで大切なのは患者様の本当の願い、
必要としていることを引き出すことが
できているかということです。
医療プロフェッショナルとして役立ててもらいたいポイント
野球部にとって顧客でもあり、ともに働く従業員でもあり、
なにより甲子園へと導ける中心的な役割を持つ人は「監督」だと
気づいたみなみちゃんは、この最も重要な人物の『通訳』になろうとします。
野球部の監督である加地先生とは、野球に関する豊富な専門的情報を持ちながら、
それが部員への指導へ生かされず、
さらに自らの顧客でもある部員のニーズや本音についても
理解しきれていなかったのです。
ドラッカーはその「通訳の必要性」についてこのように書いています。
専門家は得てして専門用語を使いがちである。
専門家の知識や情報が、それを必要とする者たちが
理解しなければ成果は上がらない』と。
つまり、病医院においての「専門家」とは
「ドクター」となるのでしょうか。
先生方が指示した治療方針や処方を患者様が理解し、納得し、協力し
なければ治療の効果が期待できないということになります。
そこで患者様がわかりやすいように「言い換えたり」「理解しやすい工夫」を
することが「通訳」となります。
普段からお一人おひとりへ声がけをしながら、
患者様が本当に期待する医療サービスとは何かを掴み、
それをドクターへ伝えることも通訳の大切な役目となります。
この通訳の役割をスタッフ一人ひとりが担っているというわけです。
著者について
岩崎 夏海: 1968年7月 東京都日野市出身。
東京藝術大学卒業後、作詞家の秋元 康氏に師事し、
放送作家として「ダウンタウンのごっつええ感じ」などの
テレビ番組の制作に参加。
「AKB48」のプロデュース等にも携わる。
現在は作家として株式会社吉田正樹事務所に所属。
最後に
31年以上続いた平成がみなさまにとってよき時代であったように
新しき令和も良いスタートになるようにお祈りしております。
19.06.01(土)村田 小百合 カテゴリ:スタッフブログ