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良書紹介(24) 『大人の語彙力(ごいりょく)ノート』

②ハロウィン.png10月31日はハロウィン。

Halloweenの起源は、古代ケルト人にあり、

彼らにとって1年の終わりは10月31日だったそうです。

その日には死者の霊が家族を訪ねて来ると

信じられており、

同時にあまり望ましくない精霊や魔女も出てくるので、

それらから身を守るために仮面を被り、

魔除けのたき火をたいていたのだそうです。

現代では子供だけでなく、

大人も楽しむイベントになっていますね。

この本を推薦する

ここ数年、色々な産業で『AI(Artificial Intelligence)=人工知能』

を活用されることが当然のようになってきましたなぁ③人工知能AI-2.png

と感じています。

医療業界においては、少し古い情報ですが

2018(平成30)年9月18日に日経新聞に掲載された(

「患者の眼底などを撮影した画像を

過去のデータと照らし合わせて

可能性の高い病名を導き出す

AIを使った眼科の診断支援」の記事を

スクラップしていたので取り出して見たところ

記事には、

「あくまで診察は医師の役割ではあるが、

ただ、初めに病名の候補を絞り込めれば効率化につながる」と

くくられています。

また、医学誌『Nature Medicine』に

掲載された論文によると、

OCT画像を使って学習した人工知能(AI)は、

50種以上の目の疾患を94.5パーセントの精度で

言い当てることができ、

その診断対象には緑内障、

糖尿病網膜症、加齢黄斑変性(AMD)など、

よく見られる眼疾患が含まれているということです。

未来には私たち人間の手掛ける仕事の多くを

代替するともいわれている「AI」ですが、

ぐっと現実味を感じさせますね。

①語彙力本表紙.png今月はAIの話から入りましたが、

ご紹介する良書は「大人の語彙力」。

えっ?AIと語彙力とどのようにつながりがあるの?

と思われるでしょうが、

実はおおいにあると私は思っています。

大量のデータから学習し、

自ら目的とする答えを導き出す「人工知能(AI)」にできないもの。

それは人だからこそ創造できるアイデア、

人だからこそできる気配り、

人だからこそ機転を利かせた

判断力や行動力に他ありません。

人と人とのコミュニケーションから④Respect.png

生み出される人間関係や信頼関係の構築は、

AIには難しいことでしょう。

私たち医療スタッフが、

AIにとって代わられない武器にできる

コミュニケーションに磨きをかけるために必要な

「言葉の力」をこの本は教えてくれます。

本の全体像(概略)

⑥ボキャブラリー.pngそもそも語彙(ごい)(りょく)とは何なのか?

ということを先にお話ししますね。

「語彙力」とは、言語についてどれだけ多くの種類の単語を知っているか、

そして、その単語に関する知識を持っているかという力です。

日本語を母国語とする私たちですから、

「そんなの大丈夫!」だとは思うのですが、

この本では洗練された、

しかも相手から「できる人!品格のある人だ!」と

感じてもらえるような言い方を学ぶことができます。

医療機関に働くスタッフとしてだけではなく、

社会人として「美しい言葉遣い」と

言葉の奥行きというものを勉強してもらうことを目指して書かれた本です。

私たちが実際の生活で遭遇する場面を⑦視力検査.png

8章に分けて、普段ならこんな風に言っているよね...と

日常的な言い方を先に示して、

それをうまく言い換えると、

このような言い方があるよという形で書き進められています。

皆様にも現在の自分の語彙力を試してもらえるように、

質問形式で書いていきますので、

まずはなんと言い換えると、良いかな?と考えながら、

時には声に出して、とっさに言えるかなと試してもらうのも良いと思います。

まずは、基本的な語彙力テストです。

あなたならどのように言い換えますか?

(模範解答は、この画面の一番下につけておきますので

後で見てくださいね)

第1問  なるほど
第2問  大丈夫です
第3問  今、お金がなくて...
第4問  お願いして申し訳ございません
第5問  どうぞよろしくお願い申し上げます
第6問  手伝ってください
第7問  ありがたい言葉に感謝します
第8問  OKです
第9問  残念ですが、おうかがいできません
第10問  絶対無理です

医療プロフェッショナルとして役立ててもらいたいポイント

⑨Question-2.png患者様に何か尋ねられた時に、

すぐに答えられないこともあります。

そのときに使える言葉遣いを本書からご紹介します。

例えば、高額医療制度について申請の仕方や

限度額を聞かれて正確には分からないときなどです。

一般的な敬語の本などには「わかりません」と

否定語を使わずに「私ではわかりかねます(★★★★)ので...」と

肯定的に伝え、その後に対処の方法を伝えるという応対が

書かれてあると思います。

本書では、「不勉強で(勉強不足で)申し訳ありません。」と

言い換えることにより、能力不足によって医院の信頼などを

失ってしまうリスクが防げると言っています。

なぜならば、ただ「分からない」ではなく、⑪お詫び.png

「努力が足りていませんでした。

患者様にとって有益な医療情報を学ぶ努力を

怠っておりました」と自分の非を認め、

反省しているというニュアンスが伝わるからです。

そして、その後に「すぐにお調べします」

または「分かる者からお伝えします」という

提案をすることを忘れてはいけませんね。

最終章(第8章)には、

センスが伝わる「季節の言葉」というものが書かれています。

これから秋が深まってくると、

落葉樹の葉が色づき「紅葉(こうよう)」の季節を迎えます。

特に(かえで)などの葉が赤く色づくものを「紅葉」と

呼ぶことをご存じの方は多いと思います。

一方で、イチョウなど黄色く色づくものは

「黄葉」と呼ぶそうです。

また、木々だけでなく野の草も色づきはじめると、

これを「草紅葉」と言います。

池の水面におちて浮かんでいる木の葉は

⑪紅葉.pngのサムネイル画像船に例えて「落葉(おちば)(ぶね)」と呼ぶそうです。

患者様とのちょっとした会話に、

「○○公園の紅葉がきれいになってきましたね。

イチョウなどは「黄葉」と呼ぶそうですよ。

池にも落葉船がたくさん浮かんでいましたね。」と

使い分けられると、品格と教養を感じてもらえることでしょう。

著者について

齋藤 孝:

1960年静岡生まれ。東京大学法学部卒業後、

同大学院教育学研究科博士課程を経て、

明治大学文学部教授。

専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。

ベストセラー作家、文化人として多くのメディアに登場。

主な著書に『声に出して読みたい日本語』

(毎日出版文化賞特別賞、2002年新語・流行語大賞ベスト10、草思社)が

シリーズ260万部のベストセラーになり日本語ブームをつくった。

他に著書に『三色ボールペンで読む日本語』

『こどもの語彙力を伸ばすのは、親の務めです。』

『理想の国語教科書』(文藝春秋)、

『質問力』(筑摩書房)、

『雑談力が上がる話し方』(ダイヤモンド社)等多数。

『語彙力こそが教養である』(KADOKAWA)は

17万部を突破し、著書発行部数は1000万部を越える。

テレビ出演多数。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導。

語彙力テスト 解答.png



 

 

 

 

20.10.01(木)村田 小百合 カテゴリ:アイコンプラス通信スタッフブログ

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