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良書紹介(40) 『問題解決と意思決定』"ケプナー・トリゴーの思考技術"① 第1章~4章

みなさま、こんにちは!アイコンプラス、インターンの笹谷です。

 2023年も残すところ、あと半月と少しになりました。③クリスマスリース.jpgのサムネイル画像

11日後にはクリスマス・イブです...(むちゃたのしみです)。

なにかと気忙しいこの季節なので、

インフルエンザやコロナにも油断は禁物です。

医食同源の言葉どおり、栄養のある食事、

十分な睡眠(8時間以上を取るのが望ましいらしいです)、

そして、免疫力を高めるためには、身体を温めるのも効果があるそうです。

さて、今回の良著紹介では、

① ケプナトレゴー問題解決・意思決定書籍表紙.jpg『問題解決と意思決定-"ケプナー・トリゴーの思考技術"』

を紹介させていただきます。

人財教育などに詳しい方は

KT法(Kepner-Tregoe法)という呼び名のほうが

なじみがあるかも知れません。(※1 文末参照)

この本は、アメリカの企業経営コンサルティング会社『ケプナー・トリゴー』の

会長、CEOのクイン・スピッツァと、

同社のプラクティスリーダー、パートナーのロン・エバンスの両氏が執筆した

『HEADS,YOU,WIN!を日本語訳したものです。

この本は、経営者の問題解決と意思決定という、

経営においてとても重要な要素を、豊富な事例と共に、説明されています。

全12章がありますので、

今回はその最初の部分、1〜4章をお送りします。よろしくお願いします!

この本を推薦する理由

僕はアイコン・プラスの学生インターンとして

ブログ執筆や関東地域の医療・福祉関連の

営業を担当しています。

それと同時に、普段は、東京のメディア系の会社でもバイトをしています。

そのバイトの色々な業務の1つに、

事務機器のメンテナンスがあります。

簡単に言うと...コピー機の用紙がなくなった時に

補充するというものです。

このアルバイトは、午後8時頃からが

とても忙しくなってくるのですが、

先日、そんな忙しくなる直前に、②-1 コピー機動かない.jpg

コピー機が正常に作動しなくなるという問題が起きました。

紙の補充をした直後にコピーが動かなくなったので、

僕は血の気が引く思いでした。

 

この時間帯にコピー機が使えなくなるのは致命的なわけで

周囲の人も慌てて、数人がかりでコピー機の本体を

いじって直そうとしました。

しかし、数分が経っても動かず、立ち往生していました。

 

そんな時、この本に書かれてある問題解決に関する、

"問題の原因想定を取り除け"というアドバイスを思い出し、

1から考えてみると、紙を変える前までは正常に動いていたということは、

紙の方に問題があるのではないかと...考える視点を変えてみました。

 

紙を取り替えたところ、コピー機は正常に作動しました。

つまり問題は、コピー機本体ではなく紙にあったということです。

紙を換えるまでは普通に使えていたのだから、

"本体に問題がある"という想定してしまっていた原因を取り除けていれば、

すぐに解決していたのです。

真の原因究明こそが大切であり、

思い込みで想定してしまっている原因というものはたくさんありますよね。

本書はこのような日常生活にも使えるとても役立つアドバイスを

たくさん学ぶことができますので、紹介させていただきたいと思います。

 

本の概要(序章〜4章)

序章

序章では、本書を通じて1番大切な考え方である、

『クリティカル・シンキング プロセス』の4つの思考プロセスが説明がされています。

これはビジネスの内容や規模や複雑さに関係なく

どのような企業において競争優位性を確立するための

『基礎・基本』だと言っています。

クリティカル4つのプロセス 下矢印.jpg

そんなクリティカル・シンキング プロセスとは

どういったものなのかといいますと、

"状況把握"→

"問題分析"→

"決定分析"→

"潜在的問題・潜在的好機分析"

といった4つの思考の過程のことを言います。

少し難しい言葉が使われていますが、

僕なりに簡単に説明させていただくと、

まず、問題が起きたらその問題をしっかりと考えて、

単純化(わかりやすいものに)し、

どうしたらいいかを考えるプロセスから始めます。

次に、その真の原因を見つけ出して、

問題解決に向けての行動について考えます。

次に、その行動によって起こる『損と得』について考え、

最後に、将来的にまた起こるであろう問題の回避策を考えます。

以上の4つの思考の流れがクリティカル・シンキングプロセスです。

第1章

今や、数えきれないほどのビジネス書が書店に並べられていたり、

ビジネススクールや、経営コンサルタントなど

ネットで検索するとたくさんでてくるので、

簡単にビジネスへの取り組み方を学ぶことができますよね。

しかし、これらがまだ世に出てなかった頃、

当時の経営者(旧世代の経営者)たちはどのようにして

マネジメントスキルを身につけていたのでしょう?

筆者よれば"業界のジャングル"、

つまり実践の中で身につけてきたといいます。

彼らの多くは、マネジメントや知識に関してクリティカル思考する旧世代の経営者 .jpg

今日では重要だと見なされている膨大の量の知識を

持っていなかったにも関わらず成功していました。

これは、ビジネススクールやビジネス書や

経営コンサルタントなどが発見した理論よりも、

より優れた組織的な成功の核になるものを

知っていたからに他にありません。

ずばり、それこそが"クリティカルに思考する"ことだったのだと

筆者は言います。

 この基本となる"クリティカルに思考する"ということができなければ、

今日たくさんあるマネジメントスキルも効果をなさないということです。

これはビジネスだけじゃなく、スポーツなどでも言えることで、

スタミナや筋力などの基礎的なことがしっかりとしていなければ、

いくらテクニカル的なものを習得しようと、

意味がないということと一緒なんだな~と思いました。

  

第2章

では、クリティカル・シンキングプロセスの第一段階である

"状況把握"とはどのようにするのでしょうか?

"状況把握"のプロセスは、何か問題が起きた時に

とても役に立つようです。

それは、とてもシンプルなもので...

情報把握 ともかくリストアップ文字のみ.jpgのサムネイル画像

 

これだけなのです。

問題が起こると、とにかく解決しようと

すぐに行動に突っ走るという人が

いるそうなのですが、

とりあえずは一旦行動をストップし、

冷静に問題点をリストアップすることが大切だそうです。

リストアップをする.jpg

行動力というのはとても大事ですが、ビジネスにおいては、

何でもかんでも猪突猛進というわけには

行かないんだなと感じさせられました。

僕は子供の頃、とにかくしいたけだけが

嫌いで少しでもしいたけが入っていると

その料理は食べないという面倒な子供だったのですが、

それに対して母親は、見えないくらい小さく刻んで餃子の餡に混ぜたりして

僕に食べさせていました。

今考えると、これもちゃんと状況把握プロセスを行えていて、

いくら僕にしいたけの栄養素をとって欲しくても、

嫌いなものは嫌いなわけで、根気良く出し続けても意味がなく、

考え方や対応を変えて解決していたんだな~と思い出しました。

【椎茸が嫌い】の情報把握のリストアップ

椎茸①.jpg~真の原因はなんなのか!~

①  味がいやなのか?

②  見た目、しいたけのカタチがキモい?

③  匂い?

④  そもそも椎茸食べたことがないのになんで嫌いなのか?

⑤  思い込みがあるのか?(どんな?)

⑥  友達の影響(受け売り)

⑦  いつも叱られているので、反対に母を困らせたいのか?

⑧  嫌いとハッキリ言えることが、かっこいい!とおもっているのか?

⑨  そもそも自分でも嫌いな理由が分っているのか?

⑩  他のキノコをいけるのか?(しめじ・まいたけ・えのき・エリングなど)

 

 第3章

クリティカル・シンキングプロセス第二段階は"問題分析プロセス"です。3つのルール.jpg

この問題分析プロセスには「3つのルール」があります。

 ルール1:

問題の原因でないものはただちに取り除け!というものです。

ネット社会である現代ではデータの数が膨大となっており、

大量の問題情報を分析しなければならないので、

何が原因かを証明することのできない問題が多いので、

原因を特定するよりも原因でないものを取り除いていく方が効果的なのです。

原因でないものは取り除く.jpg

 ルール2:

データの罠にはまるな!というものです。

一つ目と同じで、ネット社会の現代では膨大な量のデータがあるので、

多くのデータを集めることに躍起にならずに、

何が問題であるかについて共通の意識を持って、

問題の核心に素早く正確に切り込むことのできる

質問を持っておくことが大切です。

 ルール3:

団結せよ!です。

問題解決は組織的な課題であるので、

問題の影響が出ている領域だけでどうこうできるものではないのです。

組織的に団結して対処する方が、

より速く問題を解決できるのです。

 

ルール3は、チームプレーのスポーツでも

よく言われていることだと思います。

サッカーやバスケでも、皆が別の意思を持って

バラバラにプレーしたら勝てるものも勝てません。

共通の意識を持って、誰かがミスしたらその人だけで解決するのではなく、

しっかりリカバリーすることが大切なのです。

一致団結.jpg

第4章

クリティカル・シンキングプロセスの

第3段階、"決定分析"をこの章では学びます。

この"決定分析"とは、意思決定のスキルのことを指し、

あたり前ですが、意思決定なくては

なにもしないことと同じで

いかなる組織においても、成功の主となる決定要因です。

 

意思決定 5つの領域.jpgのサムネイル画像のサムネイル画像そして、ここでは、特に重大な意思決定をする前に

確認を要する5つの領域があると述べられています。

(さきほどは、3つのルールでしたね)

 一つ目が"経営ポリシーの一貫性"であり、

これは組織において重大な決定を行う前に、

一貫した経営ポリシーのもと、

慎重に審査しなければならないというものです。

二つ目が"顧客満足の保証"というものであり、

"顧客をおおいに喜ばせる"という世界で最も大きなアミューズメントパークである、

ディズニーランド発祥の考え方です。

 

3つ目が、"外部機関の承諾"というものです。

これは、第三者の機関からの承諾や、お客様の声といった自社以外から、

客観的な見方を持った承諾が必要であるということです。

 

4つ目が、"実行する人への支援"というものです。

組織の上層部だけで好き勝手するのではなく、

実際に現場で行動する従業員にもその考え方を

支持してもらわなければならないということです。

 

5つ目が、"パワーブローカーの支持"というものです。

パワーブローカーというのは、

株式会社でいう大株主といった、

組織の中で公的な権限を持っている主要人物であり、

彼らの持っている影響力はとても大きいので、

しっかりとそのような人物からも支持を得よ!ということです。

 

以上の5つは、ここでは大企業の例とともに解説されているのですが、

例え小さな企業であっても重要なことだなと読んでいて感じました。

ビジネスをする上で役立てて欲しいポイント

現代社会では、街中にいても、電車に乗っていても、電車内 スマホ.jpg

誰かといる時でさえも、皆スマホを忙しそうに触って、

釘付けになっています。

ゲームをしている人もいれば、誰かとSNSで連絡を取り合っている人もいます。

インターネットを使ったコミュニケーションを本書では、

"冷たいコミュニケーション"と呼んでいます。

 

この"冷たいコミュニケーション"は、

日常生活では大して問題ではないのかもしれませんが、

ことビジネスシーンとなると話は別です。

顔を合わせるコミュニケーションとは違い、

理解の度合いをしっかりと確認することができないので、

「これでよろしいですか?」と何度も確認する必要があり、

意思決定において大切なスピード感が失われてしまい、

問題解決も暗礁に乗り上げてしまいます。

やはりface to faceのコミュニケーションが、

対面コミュニケーション①.jpg昔も今も、日常生活でもビジネスシーンでも

大切なんだなと実感されられました。

ですので、僕もネット社会の今こそ、

顔を合わしたコミュニケーションを

大切にしていきたいと思います!

本年最後の良著紹介です。

このサイトに訪れ、お読みいただいた皆さま

心より御礼申し上げます。

ほんとうにありがとうございます。

どうぞ健やかに新年をお迎えになられ、

新しき年 2024(令和6)年も

どうぞよろしくお願い申し上げます。

注釈※1

KT法(Kepner-Tregoe法)とは、問題解決と意思決定の思考プロセスを体系化して整理した思考法です。

KT法は、1950年代にチャールズ・ケプナーとベンジャミン・トレゴーによって開発されました。

23.12.13(水)笹谷 政太朗 カテゴリ:アイコンプラス通信スタッフブログ

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