私は2月3日と思い込んでいたので、
あれっ?どうして?と即座に調べてみました。
これは、地球が太陽の周りを1周するのに
365日と約6時間がかかることに関係しているそうです。
2025年は2月2日が節分の日となるようです。
節分の日付は必ずしも2月3日とは限りらないこと、
自分自身の長年に渡って、習慣づけられた
思い込みを反省する機会となりました。
「1日1話 読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」の中から
2月1日、「命とは君たちが持っている時間である」
日野原重明氏(聖路加国際病院元理事長)の一話を
お伝えしようと思ったのですが...
(こちらにも心に染み入る言葉が書かれてあるのですが...)
思い直して、日野原先生の遺作となった
「いくつになっても今日が一番新しい日」を
ご紹介したいと思います。
この本を推薦する理由
医療業界に働く人だけにとどまらず、東京築地近くにある聖路加国際病院院長、
名誉院長を歴任された「日野原 重明」先生のお名前を聞いたことがある方は
多いのではないでしょうか。
聖路加国際病院は520床を有する立派な病院です。
(入院病床を500以上有する病院が「大病院」と呼ばれます)
そして、日野原先生は、医師であり、名誉院長であったというだけでなく、
著書は200冊を越える最も名の知られたドクターです。
2017(平成29)年、6月30日に
当著、「いくつになっても、今日がいちばん新しい日」を出版され
7月18日、105歳でその卓越したその生涯を終えられました。
日野原先生の人生哲学に触れた人は、
感銘を受けられる方が多く
素晴らしい影響力を有されていました。
(かくゆう私もその一人です)
日野原先生が日本の健康管理に貢献された功績は
枚挙にいとまがありません。
それのみならず、ご自身のこれまでの人生で培った経験や
過去の教訓を次世代に伝えることを目指して、
社会活動にもエネルギーを注いでおられました。
誰もが未来には経験する「老い」や「高齢」になっても
活動的な社会生活を維持できるように、
「人生をもっと楽しむように、常に心待ちにする何かを持って、
病を撃退するように」と強く提唱されていました。
本の全体像(概略)
この本の目次を見てみると、
「老いて高める」
「老いを認める」
「老いても整える」
「老いを管理する」の4章仕立てで構成されています。
この目次だけを見てみると、
やはり、50歳以上の人生の午後を迎えた人に向けて
書かれたものだなという印象を受けますが、
現在(いま)は、まだまだお若い方にとっても
人生の指南書として参考になる部分も多いと思います。
第1章の「老いて高める」の中に
「最初に終わりのことを考えよ」という文章があります。
その冒頭には、「人間のからだは所詮、やがては土に還る『土の器』です。
その土の器に何を入れるのか、
そのことは生涯を通して問いつづけなければなりません。
もし、その土の器に健全な心を宿すことができたならば、
その心こそは朽ちない宝となるに違いありません」。
残した言葉を綴っています。
「十分に終わりのことを考えよ。
まず最初に終わりを考慮せよ
(老いというのは、遠いものだと考えるのではなしに、
若いうちに老いがはじまっているのだ)」、
および「老年の欠乏をおぎなうに足るものを
青年時代に獲得しておけ
(老人になるといろいろのことを失ってくる。
それを若いときに獲得しておけ。
老人になっても燃える人生エネルギーを若いときに蓄えなさい)」と。
日野原先生は続けて、老人になった時に
『人生のエネルギー』となすために、
若い時から蓄えておくべきものは、
「それは、よき本を読み、ゆかしい音楽を聴き、
感性を高めるよき人との出会いをもつことです。
そのことによって、私たちはエネルギーをもらい、
それを我々のからだの中にだんだんと蓄えながら、
老いに成熟していくのです。
若い人も、人生の午後に立つ人も、
老いの日のために蓄えなければなりません」と語っています。
日野原先生が永眠されるちょうど2か月前(2017年5月18日)に
書かれた「はじめに」の冒頭には、
「私は昨年の10月に満105歳を迎えました。
これまで駆け続けてきた人生で、私が大切にしてきたのは、
『いくつになっても、今日がいちばん新しい日』であるという考えかたです。
そして今、若かりしころよりもむしろ歳を重ねてからのほうが、
新たに始まる今日という日の輝きは増しているように感じています。」
著者が生涯にわたり大切にしてきた
「いくつになっても、今日がいちばん新しい日」である考え方をもとに、
「私たちに残された有限の生涯をいかに生きるか、考えてみませんか」と問いかけ、
「今、人生の午後を生きている人へも、
またこれから人生の午後を迎える人へも、
年齢にかかわりなく、人生の主役はあなた自身であり、
「人が生涯積み重ねた経験は、
つくりあげた財産よりもはるかに貴重です」と
前向きに生きるための心のもち方とともに
医師としてのからだのケアまで、読書後には、
いつまでも輝き続ける人生を過ごせるように
エールを送ってもらっているような感想を持ちます。
著者について
著者:日野原 重明 1911年山口県生まれ。
1937年京都帝国大学医学部卒業。
1941年聖路加国際病院に内科医として赴任。
1992年聖路加国際病院院長に就任。
早くから予防医学の重要性を指摘し、
終末期医療の普及、医学・看護教育に尽力。
*本書は2002年に講談社から発刊された
『いのちを創る』を改題・再編集のうえ復刊したものです。
25.02.01(土)村田 小百合 カテゴリ: